悟は少しガッカリしたように樹に笑いかける階段の下の癒麻を見る。
そして、深い溜め息をつく。
「……。」
溜め息をつく悟を、樹が見ていたことを悟は気づかなかった…。


ブルルッ!
授業が終わり、放課後悟の携帯がメールの受信を知らせる。
(癒麻ちゃん?)
メールの発信者を見て、悟は癒麻を見た。
癒麻はクラスメートの女子達と楽しそうに話していた。
悟はメールを開く。
『仕事の件で、悟くんの都合の良い時間を教えてください』
メールを読んで、悟はもう一度癒麻を見る。