「おい、もう戻らないと授業始まるぞ。」
「あら？もうそんな時間なの？
じゃあ、戻りましょう。」
時計を見ていた樹に促され、癒麻達は弁当を片付ける。
「悟くん。」
校舎へ戻る時、癒麻は悟に近づき小声で話しかけた。
「なに？」
「仕事の話があるの。後でメール入れるわ。」
「…解った。」
癒麻の話に悟は真剣な目で答える。
「場所は僕の家でね。」
癒麻は前に出て、悟を振り返って見る。
「…え？」
悟は一瞬ドキッとした。
タンッ！
癒麻は軽やかに階段を降りる。
（どうせ樹が一緒なんだし、深い意味は無いんだよな…）