『はーい、ってあら!奈央ちゃん!おはよう!尋也迎えに来てくれたの~?』
そう言って朝から元気なひろのお母さんの声がインターホン越しに聞こえる。
「おばさん、おはようございます!ひろ、まだですか?」
『あら~、ごめんね。いっつも待たせちゃって。
あ、待って。今、玄関行くわね。』
そう告げられて
あたしはひろの家の玄関の前にたたずむ。
―――パタパタパタ
おばさんが、走ってきているのが分かる。
―――ガチャッ
そう思った拍子に
ドアが開いた。
「おはようございます。」
「おはよう~!奈央ちゃんごめんねー。
さっき尋也1階に下りてきたから、もうそろそろのはずなんだけど……。」

