―――ガラガラ
教室のドアを開けた。
って……誰かいるんだけど。
その人がこちらを振り返った。
って、あれ?
「ひろじゃん。なんでうちのクラスにいるの?」
「奈央、一緒に帰るんだろ?」
あ……そっか。だからわざわざ迎えに来てくれたんんだね。
「ごめんね、ひろ。悪いんだけど今日、先生に雑用頼まれてるから……。」
一緒に帰れない。そう言おうと思った時に
「んじゃ、待ってる。」
「そんな……悪いよ。待たせちゃうかもしれないし。」
「んじゃ、俺も手伝うから。」
ひろは優しいな……。
このさりげない優しさに、たまにギューって胸が締め付けられるんだ。
「うん、ありがとう。」
そう言ったあたしに、ひろはほほ笑んだ。

