よかったぁ~。親友がいてくれると安心するよ。
咲桜は中学に入学したばかりの頃、席が前後だった。
咲桜は、入学式の翌日。ひろと同じクラスじゃなくて落ち込んでいたあたしに声をかけてきたんだ。
『あたし、中川咲桜。新名さんってなに部入るの?』
『何も入らない予定。』
『そうなんだ!よかったらさ、一緒にバレー部入らない?』
『…え?』
『あたしさ~、昨日熱出して休んでたんだよね。』
そう言えばそうだったかもしれない。
『あたし、隣の県から引っ越してきたばかりで。だから友達いなくってさ!』
そう言ってほほ笑む咲桜にあたしはこの子なら友達になれるのかなって思った。
『うん。いいよ。あたしバレー部入るよ。』
『え!?いいの!?やった~!』
『あたし、新名奈央。』
『奈央かぁ!んじゃ、奈央!あたしのことは咲桜って呼んで!』
これが咲桜との出会いだった。
小学校の時にハブられたときから小学校時代は友達がいなかった。
1クラスしかない小学校で、ずっとひろと一緒だったから大丈夫だったけど。

