「奈央~!!」
そう呼ばれて、振り返ると
後ろから中学校からの親友の咲桜(サクラ)が手を振って走ってきた。
「咲桜!よかったよ~。高校一緒で。」
「ほんとに~!あっ、奈央はクラス見たの?」
「うん。ひろが見てきた。5組だって。」
「あ、尋也君いたんだ…。」
「…いや、別に…。」
咲桜はひろに冷たい。なんでか分かんないけど…
「ひろ、ごめんね。先行っててもらっていい?」
「うん。分かったよ。」
そう言ってひろは先に校舎に入って行った。
「咲桜ってさ、ひろのこと嫌いなの?」
あたしは思い切って聞いてみた。
「う~ん……。って言うか、中学ん時からちょっとした噂があってさ。」
「噂?」
「まぁ、奈央が気にしなくても大丈夫だから!幼なじみなら心配なさそうだし!」
「あっ、咲桜、クラス見に行かなくていいの?」
「クラスなら、見たよ!5組!奈央と同じだよ!」

