そこには、見渡す限りの人、人、人。
さすが、大きいグループだけある。
「ちわっス!」
「こんちわっ!美織さん!」
そんな美織ちゃんが入ると、他の人達はみんな一斉に美織ちゃんに注目する。
「美織さん、そこの後ろの男は誰ですか?」
一人のあきらかに不良っぽい、ツンツンヘアーの男子。
「あぁ、コイツは関係ないよ。隆さんの連れ。」
「連れ、、、ですか?!」
その瞬間、一気に鋭い目線を向けてきた男子。女子は、驚いたような表情をしている。
「あー、、、そういう意味じゃなくて、今日転入してきた奴。見学しに来ただけだから。」
「そんなんですかー、、、びっくりするじゃないですかー!」
「ごめんごめん、」
そう言って苦笑しながら手を合わせる美織ちゃん。
「、、、で?名前は?俺は、、、陽汰(ようた)!」
ツンツンヘアーの男子が人懐っこい笑顔で俺の所に来た。
見た目よりは優しそう、、、かな?
[俺は、花岡裕哉言います。]
「おうっ!よろしくな。」
あれ?メモで書いてても不思議がらんねや、、、。
「裕哉は、喧嘩出来る?」
[ううん、出来ひん。]
「ははっ!そうか、まぁ、、、出来なさそうな顔してるもんな?」
そう言ってイジワルそうに口角を上げる陽汰君。
[美織ちゃーん、、、陽汰君がイジメてくるー、、、。]
美織ちゃんにヘルプを出すと、
「くはっ!陽汰っ!やめなよー、、、。」
面白そうに陽汰君に注意した。
「すまんっ!裕哉、」
何か、ここに居ると安らげる。
ふと、そう思ってしまった。

