「私はね、耳が聞こえないんだ。まぁ、、、相手が何を話してるかは口の動きで分かる。でも、早口で話されると分かんないんだよね。」

そう言って苦笑する女の子。

耳が聞こえないんや、、、。でも普通に話すことが出来るって事は、うまれ付き耳が聞こえへんかった訳ちゃうんやな。

[名前は?]

出来るだけ早く書いたから、少し字が汚くなってしまった。

「あ、ごめん。忘れてた。私の名前は隆(りゅう)苗字は、、、ないんだ。また、時間があれば話すよ。」

そう言って笑顔を浮かべる隆ちゃん。

何か、、、深刻なことがありそうな、、、。でも、明るい。

[俺は、花岡裕哉言います。]

今度は、少しキレイな字を心がけた。

「裕哉。よろしくっ!さ、ちょうど教室に着いたし入ろっ!」

[うん。]

結構緊張する、、、俺は、またみんなから離れられてまうんやろか、、、そんな不安でいっぱいだった。