第3章。

店から出ると、あまりの寒さに驚いた。

首から上が一瞬にして冷えて、

その冷たさが頭の真ん中まできた。


僕の少し先を彼女が歩く。


・・なんとなく、

なんとなくだけど・・・

初めて彼女を見たときから、

なにか不思議なものを感じていた。


それは時間が経つにつれて、

だんだんと明確なものへとなっていった。


‘不思議な感情’、

それは次第に一つの‘答え’へと変わり、

最終的に僕は

その‘答え’を確信することができた。


その答えに科学的根拠なんてものはないし、

ハッキリとした理由もない。

だけど、

なぜか僕はその答えを信じれる気になった。


他人には絶対に言えないことだし、

考えれば考るだけ頭がおかしくなりそうなこと。

だから僕はもう考えることなんてやめて、

自分が信じた‘答え’だけを見ることにした。


「僕のウチはすぐそこだけど、

 君はまだ先かい・・?」


「うーん、
 そんな感じですかね・・」


「そんな感じって・・・」