「それで、
どうして僕を誘ってくれたの?」
「うーん・・・
別に特別な理由はありませんよ。
ただシマウマちゃんの話を
もっと聞きたいなぁって思って・・
もしかして、迷惑でした?」
「ううん、そんなことはないよ。
なんとなく気になってね。
君みたいな子が、
僕みたいなオジさんを誘うのが珍しくてさ」
僕がそう言うと、
彼女は笑顔だけで返した。
ちょうど今日は遅い帰りの予定で、
妻にも晩御飯はいらないって言ってあった。
「あー、お腹すきました
もうペコペコですよ、」
「結構食べるほうなの?」
「そうですね、
基本的に食べることだけが幸せなので。
いっぱい食べますよ」
「そっかそっか・・
シマウマも、よく食べる子だったよ。
御飯の入った袋をガサガサって揺らすと
急いで家から出てくるんだ。」
「食いしん坊ですか?」
「そうだねぇ、
待ちきれないから
ゲージを噛んでアピールするんだよ。
早くよこせー!ってね、」
「それは可愛いですね。」
そう言って彼女はまた笑顔をみせた。
その顔をみて僕も微笑む。
「御料理お持ちいたしました。」
