「ただいまー」
「一夢ちゃんお帰りーっ」
私は両親がすでに居ない.
だから,夏目家...所謂将希の家に住んでいる.
「あれ,将希と帰って来なかったの?」
「実は今日喧嘩しちゃって...」
「あ~,一夢ちゃんも大変ねぇ...
御免ね?将希がいっつも...」
「あ、厭々...大丈夫ですよ」
本当はもう将希との喧嘩には飽きたけれど.
玄関で止まったまま,話していると...
「たでーま...あ,」
「まぁ,御免あとは宜しく!!」
その場から逃亡するように,
自分の部屋に向かった.
...宿題あるんだった
机の電気をつけて,勉強しようとした.
すると,ドアをドンドンと叩かれた.
「おい,かず...」
「将希?」
将希の声は,絶対分かるのに.
まだ将希を知れていないなんて...
そう思いながら,ドアを開けた.
「今日は御免な、かず」
そういって,私を抱き締めた.
其れも優しく包みこむかのように.
「あ,べ...別に大丈夫だからっ!」
恥ずかしくて,相手の肩を押したけれど
やっぱり,将希は男な訳で.
「離さないから...」
「将希っ、まぁ来たらどうするのっ」
「大丈夫だって...」
将希に何を言っても無駄なんだ.
それだけは分かる.
「好きな奴しか,
こういうことしないから」
「え...」
「一夢が好きだ」
突然の告白に私は戸惑った.
