「もう奈南ちゃ〜ん(泣)
佳代ちゃんって王子のこと
好きだったりするかな〜?」
俺は合宿所に着くなり
奈南ちゃんにSOSを求めた。
「たぶんないでしょ。
なんか微妙って言ってたし」
そうなのかぁ。
良かった・・・・!
ん?
良かった?
本当に好きでいるだけで
俺は耐えられるのかな。
「とりあえず
荷物を各自の部屋に
移動させてくださーい」
学年主任の先生が
大きな声で言ったので、
「そんじゃ頑張ってね!
ならまたあとで。」
奈南ちゃんは女子部屋に
入っていった。
俺はこんなときに
1人になってしまうほど
男子と話さないわけじゃない。普通に仲の良い友達もいる。
そんなことよりも
今気になるのはもちろん
『彼』のこと。
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