放課後。


俺達には夕課外がある。
俺はふと窓の外を見ていた。


俺は付き合いたいとか
そういうのじゃないから。
なんていうか....。


「はる君、何見てんの〜?
あ!まさか王子!?」


急にやってきて
おかしなことを言う悠香ちゃん
俺はジュースを飲んでいて
むせてしまった。


「ケホッ、ケホッ。
なんで王子!?
違うんだってばー。」


俺も自然と呼んでいた
『王子』と。
ふさわしいかわかんないけど
そう呼ぶ度に胸が痛い。


「ほら、はる君。
王子は32番のユニフォームだよ」


悠香ちゃんに急かされ
チラッとグラウンドの32を見た。


そうだった
今日は王子は部活に行くのか。

ふと気づいた胸の窮屈さ。
本当かっこいいなぁ。
優しいし・・・。



好きだから
こんなに見たくなるのか・・・
辛いだけなのに。





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