「いったいなんやっ!
人をこないな所まで拉致ってっ!
早よ放さんかいボケぇっ!」

ゲーセンの前でいきなり拉致られた私、祁燬 徠(きやらい)は周りの黒づく目でグラサンなんかかけとるいかにも怪しいおっちゃん達に蹴をいれながら喚き散らす。


「お、お嬢様!
少し落ち着いて下さい!」

「誰がお嬢やっ!
あほ!」

右腕を掴んでいた男に思いっきりあしげりを入れる。

「Oh!!?」

蹴られた男は向こうずねにあたり派手な声をあげた。


「ふん、ざまみぃ。
紛らわしいあだ名で呼ぶからや」


私はベーっと舌をだした。
と、その時だ。

バチン!

「いっっってぇ――――!」

突然頭をたたかれ、あまりの痛さに縮こまる。

「いい加減にせんかこの馬鹿娘はっ!」

序でに怒号まで付録で付いてきた。


「何すんやこの禿げ親父っ!」


斜め後ろを見上げながら怒鳴りかえす。

「実の親に向かって何だその言い草はっ!」


バコン!

再び叩かれノックアウト……。