「初めまして、あたし金剛(こんごう)千夏。」


「あ、初めまして。あたしは瞰崎擂というんや。出来ればライで呼んでくれてかまわんから」

「ライね。わかったわ」

千夏と握手をかわしながら、そんな会話をする。


「ずるいですわ。私(わたくし)も、瞰崎様とお友達になりたいわ」

「あ……よろしく」

甲高い声で言われてちょいと引きながら彼女とも握手をする。

「ありがとうございます。私は榛名(はるな)祐貴子と申します。よろしくお願いいたしますわ」

「あはは、よろしくね」

冷や汗を掻きながらいった。


さすが、まるっきりお嬢様やな。


でも、千夏は違うみたいやけど。


「なぁ、ちと聞いていいかいな?」


「うん?」

「あんたはどこのお嬢様なん?なんかかなりさばさばしとるけど……」


失礼とは思うが、気になることは聞かな気が済まん私。

「ああ、よく言われる。
あたしは、製薬会社の娘だよ」

「製薬会社?」

「そう。金成製薬。あれ私のお父様がやってるの」

「ほぇ~」


金成製薬といえば、日本で有数の大企業じゃないか。


「因みに私は、生食企業の娘ですわ。海外進出して他企業も営んでおりますの」

「ほえ~」


かなりの大物だね

「ライは?何処の娘?」

「あ、あたし?あたしはその、理事長の知り合いで……」

「まぁ、理事長様の?」

「だから入れたんだ。ここ」


二人はなるほどと納得する。


「あの……そんなに珍しいん?ここに編入って……」

千夏の言葉に引っ掛かりを覚えた私は何気なく聞いてみた。


「かなり珍しいっていうか初めてじゃないかな?
この学校に編入出来るなんて。
あの理事長かなり意地汚い性格してるから、かなり難しい編入試験用意してるみたいだし」


「そ、そうなんだ」


あれで、難しい?

かなり簡単で一時間もしないうちに終わったけどな………?
まぁ、うちの場合は大学問題やったけど。


ここの生徒の皆さんはどんだけ頭がわるいわけや。


「ハハ……」と苦笑い。

「でもあの理事長と知り合いなんて……ライあんたの父さん何してんの?」

「へっ?いや……何って、ただのしがないサラリーマン?幼なじみだからかな?」
「アハハ…」なんて苦笑い。

「「??」」

二人は渋い顔で互いに見つめ合っている。

まさか言えるわけない……いや、言ったらばれるよ…私の歳が(笑)