そう言ってお父さんはバットを持って玄関に向かった。


「・・・?お父さん野球しに行くのー?」


「うん。ちょっとそのヒロくんって子と野球でもしようかなーって思ってねー」


そう言ったお父さんの目は鬼のようだった。




「うわぁぁぁぁぁぁぁーん。おどうざんが、おどうざんがぁぁぁぁぁ!!」


「美羽、どうしたの!?それに貴方もそんな物を持って、どこに行くの!?」


私の泣き声を聞いたお母さんが2階から降りてきた。







その後、お母さんのお陰でお父さんは持っていたバットを置いて落ち着いたけど私はその日ずっと泣いていた。



それから、私は好きな人ができないようにしてきた。




でも今、私には好きな人がいる。










その人が伊織様。