くちびるから始まった恋は

くちびるで全てが終わった


一番そばにいるのに

「話しかけてもいいの?」なんて

聞きたくなるくらいに

遠い


あなたの

首元のほくろとか

疲れていると二重になる左目とか

子供の頃にできた消えない傷跡とか


手放す勇気もないのに

もう愛していない

そんな自分が何より悲しい


言いかけた言葉を譲り合う

そろわないタイミング

くるしくて


取り戻せない過去とばかり

寄り添い続けている

やさしかった二人ばかり

思い出して

今をつないで


こんなんで終わっちゃうんだ

こんなんで、終わっちゃうんだね


私は時計の音を聞いてる

あなたはテレビを見つめている