12歳

裸足になる事が

嫌いだった。

だって足が

はだかになるから。


14歳

人前でご飯を

食べたくなかった。

いやらしい

行為な気がして。

そんな事を

気にしてる事が

よけいに恥ずかしい

ような気がして。


私はとても自意識が過剰で

私はいつも矛盾していて

私はいつだって

「私は」ばっかり

自分にばっかり

興味があるあまりに

自分の事が

大嫌いで。


16歳

初めて男の人に

胸を触られた。

さらりと冷たい

指だった。


18歳

世界の何一つ

知りもしないまま、

世界で一番大切な

人を見つけてしまった。

自分を守る

術もないのに、

守りたい人に

出会ってしまった。


「あの時はだって

仕方がないじゃん。

うまくいくと

思ってたから。

ちょっとそばに

いた相手を好きだと

思ってただけだよ。

すぐに忘れるよ。

今だけだよ」


20歳

沼底に

落ちるように失った。

すぐに忘れた

ふりをしながら

大切な人を

手離した。


私はとても

傷つくのが怖くて

怖いあまりに

飛び込んでいく

バカな癖がある

私はいつだって

大切な事を

おこたったまま

愛する人を

巻き込んでいく

やり方しか知らない。


「永久なんて

どこにもないよ

しがみついてる間にも

根っこは腐っていくんだ」


25歳

いくつめかの

永久歯がまた

折れた。