いや、誰かじゃないな。


だって、あたし意外にここにいるのは…。


そう思って、恐る恐る振り返る。


彼の視線の先があたしの数学の小テストだったことに気づき、慌ててガバッと隠す。



「な、なんなんですか?」



「いつもここで勉強してるの?」



スルーかい。



「…いつもじゃないです。テスト、近いんで」



「ふーん」



興味があるのかないのか、わからない言い方だ。