やだ、さっきから思ったことを口に出し過ぎだ、あたし。



「いやっ、その、話したことないから…」



すると彼は、ノートの端っこを指で叩いた。



ー羽村翔<ハムラ カケル>。


へぇ。



「…ったく、俺は知ってるっつーのに」



「え?知ってるの、あたしのこと」



すると、またまた怪訝そうな顔をされた。



「お前、あれだろ。ー…なんとか、千春」



「え、なんで知って」



「そもそも、同じクラスだし。それに、他校の友達にお前を知ってる奴がいんだよ」



…他校?


あたしが思い当たるのは、一人しかいない。