StartLove-初恋は、君でした

「とにかく、好きなんじゃなくて気になってるだけ!」



あたしは力一杯叫んだ。


すると、「でもさ」と香奈があたしの前に立ち、後ろ向きで歩きはじめた。



「見知らぬ人に勉強教えるなんて、その柚樹って人も千夏に気があるかもよ」



「え…いや、いやいやいや、それはない…と思う」



とは言っても、内心、少し期待してしまった。



「えぇ〜そぉかなぁ〜」



香奈がからかうようにこっちを見てくる。


気がつけばもう校門で、あたしは「さあね」と、香奈の先を歩いた。