「櫂くん…。」 ハァハァと息を切らしている様子から、心配して来てくれたことが分かった。 『また増えた…?』 そう言って出来たばかりの痣を優しく撫でるように櫂くんの手がそっと添えられた。 無意識の行動なのか櫂くんはいつもそうやって抱擁してくれる。 手慣れた感じがしていたが、然程気にも留めなかった。 「平気だよ、こんぐらい」