『好きな奴ぐらいいんだろ?』 「…うん、一応。」 『俺の知ってる奴?』 「そうだけど…絶対言わないからね!」 そう言って舌を出すと、陽ちゃんも負けじと 『俺だって聞きたくねぇ』 と、ズカズカ前を歩き始めた。 「あ~!ちょっと待ってよっ…」 『あ、悪ぃ。』 必死に追いかけるあたしの様子を見て、陽ちゃんは立ち止まって手を差し出した。