あれからどれくらいのときが経ったんだろう。
軽く授業は始まってるだろな。
教室戻らなくていいのかな。
あたしはともかく辻宮が授業をさぼるなんてこと今までなかった。
「辻宮、教室戻らなくていいの?」
「・・・別に」
あたしが声をかけると辻宮はその手をぱっと離して立ち上がり伸びをした。
少しだけ離された手が寂しく感じたけど、それはどうしてだろう。
ふと思い出したさっきのキス。
気持ちが悪くて思わず唇を拭いた。
あんな押し付けられるだけのキス。
忘れたい。
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