「すき」だらけ

小6の夏休み。

1人の男の子と一緒に遊んだ。

法事に来てた男の子。

顔も大人っぽくて身長も高くて同い年なのにクラスの男子とは全然違ってて声も男の子の声だった。

依智はお兄ちゃんみたいだってすごく懐いてたけどあたしは少し離れて1人でいた。

お堂の裏側でなわとびをしようとしてたら一羽の鳥が血だらけになって死んでた。

あたしは急いで近くにお墓を作って鳥を埋めてお経を唱えたんだ。

おじいがお経は天国に送ってあげる『魔法の言葉』だって言ってたから。




「なにしてんの?」




「・・・お経唱えてる。
鳥を天国に送ってあげるの。お経は『魔法の言葉』なんだ。天国に送ってあげることができるんだって」