「すき」だらけ

「1人で勝手に妄想してるみたいだけど俺に男好きの趣味はねーよ。よく見てみろよ。もう一人写ってんだろが」





もう一度写真をじっくり見てみる。あっこれって・・・。




「小6のとき法事で連れて来られた寺で遊んだ子なんだけど死んだ鳥に一生懸命お経唱えてたんだよ。なんでそんなことしてんだって聞いたら天国に送ってあげるんだって言ってた。お墓まで作ってすげー感動した。なんかそれから帰るまでずっとその子が気になってた。・・・俺の初恋」




嘘。だって・・・
このとき、あたしはこの子に最低なこと言って傷つけたんだよ。



震えが止まらない。


あの時、傷つけた子が辻宮だったなんて。



「・・・ごめん、なさい。あのときあんな傷つけること言って。ずっと後悔してた。あんなこと言って傷つけたこと」