「だからそれはもういいんだよ。俺、失うことの怖さばかり考えてた。でもお前から避けられて違うやつと話してるの見てなんで俺、あんなこと言ったんだろうって思ったんだ。本当は誰よりも俺のものにしたかったのに。俺は自分からその権利を放棄した。バカだって気づいたよ。早く手に入れなきゃまた誰かのものになってしまうって分かってたのになかなか『失いたくない』ストッパーが外せなかった」





「・・・・ストッパー?」





「お前が『大丈夫』のストッパー外せなかったように俺も『失いたくない』のストッパー外せなかったんだよ。
でもそんなんもうどうでもいい。ってか失いたくないじゃなくて『失くさない』努力をする。もちろんだからと言って嫌われたくないから取り繕うとかじゃなくてケンカもするだろうし険悪になったりもするだろうけどでも絶対に『失くさない』

だから・・・
俺と付き合ってください」





回された腕は離されいつの間にか肩に手を置かれて真剣な眼差しであたしだけを見て辻宮は言った。



いいの?あたしでいいの?
あたしと付き合ってくれるの?




ダメだ。まだ、まだ聞かなきゃいけないことがある。