高瀬くんがゆっくりと音楽室に入って来る。

謝るって思ったのに結局あたしは何もできてない。

謝るんだ。謝らなきゃ。

「「ごめん」」

えっ?今声がハモってたよね。あたしが顔を上げると高瀬くんも頭を下げてた。

高瀬くんが謝る必要なんてないのに。