「すき」だらけ




「・・・未彩。僕どうしたら君のこと独り占めできるか考えてた。だから彼女にしたらずっと傍にいてくれるんだって思ったんだ」

「・・・うん」

「必死だった。未彩が辻宮に取られると思って。繋ぎとめたくて・・・キスもした。でもごめん。未彩が僕を男として好きじゃないように僕も未彩を女の子として好きじゃなかった」

やっぱり。あたしの思ってたことは間違いじゃなかったんだ。

お互いあのキスは・・・気持ち悪いもの。

だって央はあたしのこと『お母さん』として好きなんだもんね。

しかも『彼女』としてのキスだったから相当嫌だっただろうな。

「僕ね、辻宮と話す未彩を見て嫉妬してるんだと思ったんだ。ヤキモチを焼いてる。他の男子と付き合ってるときはそんなことなかった。未彩がそいつらのこと好きじゃないってわかってたから。でも辻宮の場合は違った。未彩が辻宮と話すのを見てもしかしたら未彩は辻宮のことが好きなのかなって」

あたしはこんな気持ちになるのは初めてだったから全然わからなかったけど


央は最初からわかってたんだね。


「だからなんとしても辻宮に取られる前に彼女にって。でもドキドキしなかった。可愛いとも好きとも思えないのに彼女なんてやっぱり無理だった」

結構言うなあ。ちょっと傷つくよ。

まあそれで助かるんだけど可愛いとも思えないって。