央と初めて話したのは高校一年の夏休み前。 音楽のテストで1人ずつ歌を歌わされた。でも彼は上手に歌が歌えなかった。 放課後、たまたま音楽室の前を通ると一生懸命歌を歌ってた彼の姿があった。 あたしはそのまま音楽室の扉を開けた。 「あ、見られちゃった。恥ずかしいな。やっぱり上手に歌えないね。昔から歌は嫌いなんだ」 「上手に歌えてたよ」 あたしの言葉に驚いて央は泣き出した。