「すき」だらけ



無言で家まで歩く。


あたしは少し歩幅を緩めて辻宮の少し後ろ。

そういやあの家家族と暮らしてるって感じじゃなかった。


それに辻宮あたしのとこに来るのにまだ家族に連絡してない。



「辻宮。ご両親に連絡しなくていいの?」



「ああ。いい」



「本当に?」



「いいって言ってんだろ」



振り向いて大きな声で反発されてあたしは体が硬直した。


家族のこと、女の子のこと何も聞いちゃいけないんだ。