「んで？イケメンってなに？」
思い出したように、首を傾げる啓ちゃん。
「あ、そうそう。転校生くるんだって、今日。だからそれがイケメンだったらいいねって話」
楽しみ〜、と言いながら、笑顔になるちーちゃん。
「そうなん！つーか、俺みたいなイケメンの幼なじみがいるのに、ちー欲張り〜。」
「え？イケメンの幼なじみ？あたしそんな人いたかな…」
「いやいや、俺は？」
「あはは！」
2人を見てると面白い。
ちーちゃんもあんな感じだけど、信用してないと、なかなかそういうのも言えないよね。
「別にイケメンじゃなくていいじゃん。なぁ、マキ？」
「なにいってんのー。イケメンがイイに決まってるじゃん」
2人のあたしを見る顔が少し笑えてくる。
そんな必死にならなくても。
まぁ啓ちゃんはイケメン来られたら困るんだろうけど。
「あたしは別にイケメンとか気にしないけど。でも、性格がいい人がいいなぁ」
女好きとか、チャラかったり、だらしがないのはあんまり好きじゃない。
「だよな！さっすがマキー♪」
「え〜、おかしいよー。顔だよ顔！男は！」
「そうかなぁー…」
それから、2人はまた言い合いしてたけど、あたしはあんまり聞かなかった。
毎日毎日、痴話喧嘩に付き合ってられない。
