桜の木の下に午後3時。


「じゃあ、あんたらがマキに言ってることはなんなのよ。自分のこと棚にあげて。それともそんなこともわからないようなバカなの?」


「…な」


「あんまり滑稽なんで、笑っちゃうわ。マキにこんなことしてる暇あんなら、滝に気に入られる努力でもしな。」


「………っ」


「…行こっ」



みんなちーちゃんになにも言えず、教室を出て行った。


…助かった。

ほっと肩の力が抜ける。


「ありがとー、ちーちゃん〜」


「いいの。マキのこと責めるなんて許さないんだから!」


そう言われて、へへ、と笑う。
照れる…けど、すごく嬉しい。


「それより」


目線をあたしから外し、ちーちゃんは窓の方を見る。

視線の先を追うと、にこっと笑って立っている滝くんがいた。