桜の木の下に午後3時。



結局、授業中ずっと、あたしの顔が黒板を向くことはなかった。


バァン!!


「…ひっ」


「ちょっとマキ!あんたなんなの?!」


「…なんなのって…?」


「滝くんとどういう関係よ!」


「別に…なにも」


「なのに名前で呼んだりするの?知ってるみたいだったし!」


…それは、勝手に滝くんが呼んでるだけです。


そして、道を教えただけです。


「…違うって」


「なにがよ!」


ひーー。
あたしに言われても困るんだけど!



「うるっさいなぁ」


「…なっ、なによ千尋」


「あんたらバカ?こんな風にマキいじめて楽しい?」


「…ちーちゃん」


腕を組んで、仁王立ちをしたまま、女子を睨む。

その姿は迫力だ。


「い…いじめてなんかないじゃない」


「周りから見たらいじめも同然なのよ。惨めったらありゃしない。」


「なによ!そんな言い方…っ」


は?、とまた怖いちーちゃん。
女子はうっ、と圧倒されている。