結局、授業中ずっと、あたしの顔が黒板を向くことはなかった。
バァン!!
「…ひっ」
「ちょっとマキ!あんたなんなの?!」
「…なんなのって…?」
「滝くんとどういう関係よ!」
「別に…なにも」
「なのに名前で呼んだりするの?知ってるみたいだったし!」
…それは、勝手に滝くんが呼んでるだけです。
そして、道を教えただけです。
「…違うって」
「なにがよ!」
ひーー。
あたしに言われても困るんだけど!
「うるっさいなぁ」
「…なっ、なによ千尋」
「あんたらバカ?こんな風にマキいじめて楽しい?」
「…ちーちゃん」
腕を組んで、仁王立ちをしたまま、女子を睨む。
その姿は迫力だ。
「い…いじめてなんかないじゃない」
「周りから見たらいじめも同然なのよ。惨めったらありゃしない。」
「なによ!そんな言い方…っ」
は?、とまた怖いちーちゃん。
女子はうっ、と圧倒されている。
