史也side
俺はちゃんと優衣のことが好きだ。
でも告白する2ヶ月前俺は別の子と付き合っていたんだ。
その子は桃という結構人気のある子だった。
桃に告白したのは俺のほうで付き合ってくれるなんて思ってなかった。
OKの返事をもらえた時は嬉しくて、ただそれだけだった。
でも二週間で桃には別れを告げられた。
「他に好きな人がいるの」
ということだった。
それから優衣と仲良くなって、だんだん惹かれていった。
でも、俺と桃が付き合ってた時からあまり時間が経っていなかったから変に冷やかされて優衣が傷つくと思った。
だからあまり周りに言ってほしくなかったんだ。
でも、優衣のことはあの時の桃よりも大好きでどうしようもない。
それを全部聞いた優衣は涙を流していた。
「ごめん…ずっと、不安だったのっ。ひっく…佐渡君と釣り合わないから言っちゃだめなのかと思って…」
そんなこと気にしてたのか?
「そんなわけないだろ。優衣は可愛いから俺の方が心配だし。」
「つらかったよ…佐渡君が分かんなくなった。」
まだ腕の中で小さく震えている優衣。
「ごめんな。結局傷つけるだけだった。…でももう隠していることはないから。」
そう言って付き合って初めてのキスをした。
「優衣のこと好きだ。これからもよろしくな。」
「当たり前でしょ。大好き。」
俺もだから…
すれ違いや誤解で相手を傷つけることって日常的によくあることだと思う。
でもちゃんと同じ気持ちでいれるから。
すれ違っても、
傷ついても、
それは偶然じゃなく、俺らが成長するための必然的な出来事だから…
だからまた俺らは歩いていく。
刹那の秋に咲くコスモスのように…
fin.
2013.2.23.
8.17 あやめ桜