そんなこと言いながら彼女がいないのかすごい気になってる///
「残念ながら俺もいないよ。好きな人なら多分いるけどね。」
「えっ?…誰」
好きな人…?
結構好きだったはずなのに佐渡君の好きな人のことなんて考えてなかった。
そりゃあいるよね。
気まずくないけど沈黙が流れる。
ちなみに佐渡君とは友達くらいの関係。
きっと佐渡君に私の気持ちは気づかれてない。
佐渡君は私のピンク色のシャープペンシルを取ってノートに書き出した。
『お前のことが好き。』
確かにノートにそう書かれていた。
そして、目の前には顔を赤らめる佐渡君。
「気づけよ。好き。」
「嘘。…私なんか。」
釣り合わないよ。
「違う。優衣じゃないとだめだ。」
「…信じらんないよ。」
「信じろよ。…付き合ってくれる?」
そんなの一つしか答えなんてないよ。
「もちろん。」
佐渡君は笑って静かに抱きしめてくれた。
夢にも見ていなかった。
付き合えるなんて…
そして、めでたく佐渡君と付き合えることになった私はこの時ある悩みを抱えるなんて思ってもいなかったんだ………



