ハルク

「百香ちゃんからメール返ってこないからここで待たせてもらっちゃった。ごめんね、図々しくて」

弱々しく笑ってはるくは言った。

そんなことない。そんなことないのに…

私がメールを返さなかったのが悪いんだから。
はるくが謝ったり弱々しく笑ったり…私がさせてしまってる…

悲しくなって自然と目を反らす。あ…
やっちゃった。

きっとはるくに気付かれてしまった。

ぱっと顔を上げるとまたあの笑顔で、にこっと笑うはるくがいた。

私の顔はきっと不安だらけで目は泣きそうで眉間には軽く皺が寄っている。

それでもはるくは固い笑顔で私を見た。
それだけで、私は許された気がした。

「ちょっと、校内を散歩しない？」

「え？」

眉間の皴が深くなる。
頭の中をぐるぐる色んな思いが駆け巡った。