「この写真、あたしの宝物なんだ。」 お兄さんと出会って、毎日の大切さを知った。 生きていることのすばらしさを知った。 写真が私を価値付けてくれているような気がした。 「まさか、君のお兄さんだとはなー…。」 確かに言われてみれば、笑った顔が少し似ているかもしれない。 だから練習試合で初めて中川くんの笑顔を見たとき、とっさに相棒を構えてしまったのかも。断られたけど。 「中川くんは写真が嫌いなの?」 お兄さんはあんなに写真を愛していたのに。生き甲斐にしていたのに。