会場から出てロビーに向かうと、そこには松下たつのりと美雪さんがいた。

どうやら招待客のお見送りのようだ。



「お前ら、まんまとやらかしてくれたな…」

あたしたちを見つけると、すぐに眉間に皺を寄せて詰め寄る松下たつのり。



「でもカッコよかったねー」


「美雪、ここで甘やかすと調子にのるだろうが」


「あっれー先生のお母様にもよくやったって褒められたんだけどなー?ね、ひかり」


「ね、渚。お母様も素晴らしかったって言ってたもんね」


「…おふくろと喋ったのか?」



「「素敵なお母様ですね」」


「喋ったのか…」


もしかすると、松下たつのりはお母様に似てるから渚に逆らえないのかもね。

面白い事実が発覚だ。



「お母様とは仲良くなれそう」

「やめてくれ、おふくろと亀井なんて、誰も止められなくなるだろうが」


「それはそれで面白そうだね!」


「面白がるな真鍋」


「確かに面白そうですね!」


「面白がるな美雪」



美雪さんと目が合うと、にこーっと天使のような笑顔を向けられた。

癒されるなぁ。


「ひかりちゃん!」


「はい?」


「ひかりちゃんだぁー!」



そう言いながら抱き付いてくる美雪さん。

うわ、どうしよう!
美雪さん可愛いけど何がしたいのかさっぱりわからないよ!