次の日... 丁寧に洗った筆。 先っぽは綺麗に 尖っている。 筆の色も、 黒い墨汁が落ちて、 栗色の毛に変わった。 我ながら頑張ったと思う。 でも渡せるチャンスが なかなか来ない。 「なゆどーしよー」 「もう、放課後しかないよ!」 「なゆも一緒にいてね?」 「えー」 「だってなんか…ね。」 「はいはい、しょうがないねえ」 なゆはなんだかんだ 付き合ってくれる。 だから、 つい甘えちゃう。 逃げてばっかりだなぁ。 わたし。