卒業式が終わり、
3年生が学校に来なくなった
そんな時期。


掃除の帰り道。
掃除班が同じ、翼早と歩いてると
向こうから
ときくんとピヨくんが来た。


すると突然、


ピヨくんがときくんを
わたしの方に押してきた。


「な、なんだよ翔太〜」


照れくさそうなときくん。
イジワルな笑顔のピヨくん。


「ちょ、ピヨくん!」


とわたしが言ったと同時に、
翼早がわたしを
ときくんの方に押す。


「もおー!翼早ばかー! ときくんごめんね!」

「いや、俺こそ」








始まりはいつから?


実際、
始まりなんて
存在しないんだと思う。


きっかけを探すと
いくつも思いつく。

でも、


長く想ってるんだよ。


そう相手には伝えたいし、
自分でもそうに思いたい。

だから、
一番過去のきっかけを
始まりにしてしまうのだ。


長く好きだからいい。
そうじゃないから…

なんてそんなの"愛"にはない。


じゃあなんで人は
それを求めるのか。



そんなのはきっと
一生分からないのだろう。



翔太。



この時に始まった?
いや、
もっと前、
初めて出会った日から?
それとも

まだ始まってない?...






1年生が終わる。