こんにちわ。こんばんわ。さようなら。

徐々に声が小さくなりつつ伊織もピタッと動かなくなった。

目線だけが左右と忙しく動いている。

何だ、急に?

「伊織?」

「…俺、何かこの感覚知ってる気がする」

思い出そうと頭をフル回転させているが、全く何も出てこない。

それを悟った戒人は伊織の頭を撫でた。

「…わりぃ。お前の事、思い出そうとしてんだけど…」

「いいよ。
伊織が俺の傍にいてくれるなら何だっていい」


本当は今すぐにでも思い出して欲しい。
俺を求めて欲しい。

「伊織、お腹すいた」

「あ、おう。
てめぇも手伝えよ!!」

ああ、やっぱり思い出して欲しくない。