「ああ、俺。うん、それ持ってきてくれるか?・・・・・・うん、宜しく」


 
電話を切って、一息吐く。

 
看護師から、何か思い出を見せてあげれば記憶が戻るキッカケになるかもしれないって言われて、早速行動に移した俺。
 

何でも、結愛の家族はまだまだそれ所の状態じゃないらしい。

「あ・・・・・・」
 

相変わらず移動には介添えが必要なのが情けない所だけど、ここの先生達には色々手を焼いてもらっている。
 

電話を終えて、病室に戻る途中で見知った顔と出会した。

「純哉君・・・・・・」


結愛のお母さんだった。

 
表情は暗くて、結愛より彼女の方が病気じゃないかって疑う位だ。