君との365日


「つーわけで今日は自習」

担任はそれだけ言うとさっさと教室から去っていった。

「羽音でいいか?」

「うん」

「俺のことは蒼空でいい」

「分かった」

星宮くんと蒼空くんと友達?になった。
男友達、しかも片方は王子とか呼ばれてる奴。

これからの学校生活に支障が出るのは間違いない。

「あんたも王子目当て?」

私の前の席の女の子が話しかけに来た。

「は?」

「綾芽、やめとけ」

綾芽と呼ばれた女の子は怖い顔をして私を見つめる。

王子目当て…か。
それだけでここに来る人も居るってわけか。

「悪いけど興味ない」

「嘘つくんじゃないよ」

「第一、皆が王子って呼ぶだけであって私は星宮くんを王子だとは思わない。同じ人間なんだから王子なわけないじゃん。

そんなに偉い人でもなさそうだし、見た目だけで決めてるだけでしょ?そんな人達と同じにしないでくれない?」

ちょっとムカついて本当の事を言ったら3人ともポカンとしてた。

「ぷっ…あんた、面白いね、気に入ったよ」

何か気に入られちゃったんですけど。

「はあ…」

「さっきはごめんね。ちょっと試したんだ。あたしは篠波 綾芽 -ササナミ アヤメ-だから綾芽でいいよ」

「綾芽、ね。分かった。私は羽音でいい」

「りょーかい」

こうして私は3人もの友達が一気にできた。
嬉しいような嬉しくないような。

蒼空くんと綾芽はいいとして、問題は星宮くんだ。
今朝の告白は遊びなんだろうけど、あまり関わりたくない。