皆の視線が集まってくるのが分かる。
そのまま私はドアを閉めて教壇の前に立つ。
窓側には先生が居て、私を見るなり「自己紹介」とだけ言うので私はとりあえず自分の名前だけ言う。
「藍咲羽―…」
「あんた、今朝の子やん!!」
はずだったのに一人の男の声によって遮られた。
この声、この喋り方。
絶対、朝の王子とか呼ばれてた人だ。
「なんだ星宮、知り合いか?」
「職員室まで案内してん」
「そーかそーか」
星宮。
彼の名前であろう。
そう言えばお互い名前すら言ってなかった。
…まずさ、人の自己紹介を邪魔しないでよ。
「…ああ、すまんすまん。自己紹介続けてや」
お前は担任か。
と、内心でだけツッコんでおく。

