君との365日


-羽音side-

あれから何か担任が来て、色々説明的な事をされたけどあんまり聞いていなかった。

私の教室は1-5組らしい。
先生曰く毎日一人は必ず遅刻者がいるとの噂。
既にそこから不良擬きですか、なんて思ったのは内緒にしておこう。

「俺が呼んだら来い」

それだけ言って教室に入っていった。
廊下には私一人。

静かな廊下に私の呼吸だけが聞こえる。

「今日は転校生を紹介する」

教室の中から先生の声が聞こえた。

先生の言葉を聞いてから生徒の声が続いて聞こえた。
「おー!!まじか!!」など「男の子かな?女の子かな?」など「可愛い?!カッコいい?!」などなど。

そんな期待されても困る。
私は可愛くもなければカッコよくもない。
もちろん綺麗でもない。

ただの凡人だ。

「煩いぞ。静にしろ~。じゃあ藍咲、入ってこい」

先生が私の名前を呼ぶのが聞こえたから私は教室のドアに手を掛けて、ゆっくりと開けた。