なりたい自分のはじめ方。

恋をすると、女の子はキレイになる。



私は、目の前でキラキラした瞳で彼氏のことを話すミホのことを見ながらそっと思う。


「でね、たけしくん、私のこと、ほんとにかわいいなって!」


ミホはかわいい。

明るくてふわふわな髪。白い肌。大きな茶色い瞳。
白いカーディガンからのぞく細い指には、ピンクのマニュキュアが塗ってある。

対して、私は地味な黒髪をいつも後ろでひとくくりにしてる。
やぼったい眼鏡をかけていて、指定の紺色のベストばっかり着ている。


ミホは、なんでいつも私と仲良くしてくれるんだろう?

つやつやしていて、よく動くミホの唇をみながらよく考える。



「…ちょっとカナ、きいてるー?」



ミホの不満げな声で、はっと我に帰る。


「きいてるよ。二人はほんとにラブラブなんだね」


にこっと笑うと、かけていた眼鏡が少し下にずれた。


「ありがとー」


ミホが笑う顔が、ぼやけてよく見えない。