―奏― 君に捧げる愛の歌



「お前には関係ねぇ―だろ。」



確かに、私には関係ないかもしれないけど・・・


でも、そんな淋しそうな俊の顔見ちゃったら、

放っとけないよ・・・





「何で歌わないのか分かんないけど、もったいないよ。

あんなに綺麗な声なのに。

私、音楽とか全然分かんないけど、
俊の歌はすごいって思ったよ。


何かこう・・・体にスッと入ってくるってゆうか・・・」



私は、あの時の俊の歌声を思い出す。



普段の俊からは想像つかないくらい、
優しくて、
繊細で、
包み込んでくれるような俊の歌声―



「私、俊の歌声聴いて感動したもん!!

なのに、もう歌わないなんてもったいないよ!!


あっ もしかして、俊もプロ目指してるとか??
だから、メトロで働いてるとか・・・

んっ!!」







私は、俊にキスされていた。