―奏― 君に捧げる愛の歌



俊は壁に寄りかかり、タバコを吸っていた。



「・・・何だよ。」



突っ立ったままの私に、ぶっきらぼうに言う俊。





そういえば、この間助けてもらったお礼、ちゃんと言えてなかったな・・・





「あの・・・ありがとう。

この前、私のこと庇ってくれて。」



「別に。お前だから助けた訳じゃねぇし。」





・・・こいつ!!

人がせっかく素直にお礼言ってんのにっ!!


言って損したっ!!!






文句を言うと倍にして言い返されることは分かっているので、私は無言でギロリと俊を睨み付ける。



その時、俊の横にギターが置いてあることに気が付いた。