「奏のおばさんっ いってきます!」 佑真は元気に私のお母さんに挨拶し、 「ほら、早く後ろ乗れよ。 遅刻すっぞ。」 と言いながら自転車にまたがり、 ポンポンっと自転車の荷台を叩いた。 ここが私の定位置だ。 “こうして、佑真とニケツして学校に行けるのもいつまでかな・・・” 私はそんなことを思いながら、佑真の腰に回した手に力を込めた。